症状と治療法
緑内障
緑内障ってどんな病気?
緑内障とは、我が国における視覚障害(失明)の原因として第1位の疾患です。緑内障は目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気のことです。 治療が遅れると失明に至ることもあります。また緑内障は「目の成人病」とも呼ばれ、40歳以上の中高年者に多く、約17人に1人の割合で罹病するともいわれています。
症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。
しかし、その進行は非常にゆっくりで、両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
緑内障の推定患者数は約400万人といわれていますが、日本人の30人に1人になる可能性があります。しかし自覚症状がほとんどないため、治療を受けているのはそのうち約20%ともいわれています。
緑内障は中高年の方に起こる代表的な病気のひとつです。
症状がない場合でも、定期的に眼科検診を受けることをおすすめします。
緑内障の種類と原因
原発開放隅角緑内障
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。
正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。これを正常眼圧緑内障と呼び、開放隅角緑内障に分類されます。近年行われた全国的な調査の結果から、緑内障の約7割が正常眼圧緑内障であり、また欧米にくらべて日本人に多いとされています。
原発閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(線維柱帯がふさがれて)、眼圧が上昇します。慢性型と急性型があります。
視神経の障害は、その人が耐えられる眼圧より高い場合に引き起こされます。
必要以上に高い眼圧は、目の神経を圧迫して、視機能にダメージを与えてしまいます。
しかし、最近では患者さんの多くが、もともと眼圧が高くないのにもかかわらず緑内障を発症しているということがわかってきました(正常眼圧緑内障)。そのため、元から視神経の眼圧への抵抗力が低く障害が起こる場合もあると考えられています。
緑内障の治療方法
点眼薬による治療
眼圧を下げる効果のある目薬を点眼します。具体的には、房水の産生を抑える効果がある薬や、房水の流出を促す効果がある薬を点眼して、眼圧を低下させます。もともと眼圧が高くない人でも、眼圧を下げることによって、病気の進行を抑えることができます。点眼薬にてコントロール不良の場合はレーザー治療や外科的手術が必要となります。外科的手術が必要な場合は、愛媛大学や愛媛県立中央病院、松山赤十字病院など基幹病院と連携して治療をしていきます。
緑内障は早期発見がポイント!
緑内障とは、一度発症したら一生付き合っていかなくてはならない病気です。根気よく治療を続けていくことが大切です。40歳を超えたら、年に1回は人間ドックや健康診断を受けましょう。一度失った視野は元には戻らないため、自覚症状の出る前に発見することが重要です。お気軽に当院にご相談ください。